第584回:なぜ商品に自信がある人ほど売れないのか?

この回では、
職人気質の経営者や
専門家が陥りやすい
「商品愛」の罠と、
売れるために必要な
「顧客視点へのパラダイムシフト」
について語られています。

「商品の良さ」と「売れる理由」は別物である

多くの経営者は
「良いものを作れば売れる」
と信じていますが、
現実はそうではありません。

スペックの押し売り

商品に自信がある人ほど、
その機能や成分、
技術の凄さ(スペック)を語りたがります。

しかし、
顧客が求めているのは
「スペック」ではなく、
その商品によって
「自分の生活がどう良くなるか」
(ベネフィット)」です。

商品への執着が強すぎると、
顧客の真の悩みやニーズを
置き去りにしてしまう危険性があります。

「売り手の情熱」が「買い手の重荷」になる

作り手の
「これは本当に素晴らしいんです!」
という熱すぎる思いは、
時に顧客を引かせてしまいます。

客観性の欠如

自分の商品を愛しすぎていると、
欠点が見えなくなったり、
競合他社の方が優れている点に
目をつぶったりしてしまいます。

この「盲目な状態」が、
マーケティングの判断を狂わせます。

売れる人の思考:商品を「解決策」と定義する

売れる経営者は、
商品を自分の作品ではなく、
顧客の問題を解決するための
単なる「ツール(道具)」として
ドライに捉えています。

マーケットインの徹底

「自分が売りたいもの」
ではなく、
「市場が解決を求めていること」
を起点に考えます。

もし顧客の悩みを解決するために、
自社商品よりも
他社商品の方が適していると判断すれば、
それを勧めるくらいの客観性と余裕が、
結果として深い信頼を生みます。

顧客は「商品」を買っているのではない

顧客がお金を払っているのは、
商品そのものではなく、
その先の「変化」や「感情」です。

例えば、
ドリルを買う人は
ドリルが欲しいのではなく
「穴」が欲しいのです。

商品に自信がある人ほど
「ドリルの回転数」を説明し、
売れる人は
「綺麗に開いた穴」を提案します。

この視点の差が
売上の差に直結します。

「売るための仕組み」に自信を持つ

商品そのものに自信を持つのと同じくらい、
あるいはそれ以上に、
「どうやって顧客に届け、
どうやって満足してもらうか」
という一連の流れ
(マーケティング・プロセス)に
自信を持つべきだと説いています。

商品の改良に
100のエネルギーを注ぐなら、
そのうちの50は
「伝え方」や
「売り方」の改善に割くべきです。

まとめ

この回のポイントは、
「商品に対する自信を
一度横に置いて、
顧客の隣に立って市場を眺めよ」
ということです。

自分たちの努力(品質)を
正当化するために売るのではなく、
顧客の不便を解消するために
商品が存在するという
原点に立ち返ることが、
成功への第一歩であると結んでいます。